2020-01-15
ホームセンターなどでも売っているサビ取り剤。鉄などのサビを除去する目的のものですが、ドレスクリーニングにおいても液体として染み抜き剤の役割を果たすバージョンのものがあります。
クリーニングで使用する場合も主に「鉄分を分解除去する」為に主に使用されます。
他の使用目的としては加炭酸ナトリウム等を使用してのアルカリ性の高い漂白剤使用後の中和処理などでも使用します。つまり、サビ取り剤は酸性の性質を持った薬品となります。
鉄分を分解除去する特性がクリーニングにおいて活用される具体的ケースは以下の場合のシミや汚れです。
①衣類についた茶色い鉄サビ
②血液の染み抜き後に残った薄黄色いシミ
③脇周りの黄変の暫定的改善処
②と③も実は残留している鉄分が起因しているものがあるので工程の中にサビ取り剤を使用する事で改善が期待出来るものもあります。それでも効きがよくない場合は漂白などの特殊工程を順に行っていきます。
結構便利な仕事をしてくれるサビ取り剤ではありますが、使用については注意が必要で「金属系のものには触れさせない」事が前提となります。
例えば刺繍に銀糸などが織り交ぜられたものにサビ取り剤を付けてしまうと金属と反応して銀糸が黒く変色してしまいます。
漂白処理作業は工程的に時間がかかってしまうので、先にサビ取り剤や酸性度合の強い前処理剤を金属反応について深く知らないまま使用してしまうと思わぬ現象が生地に現れる可能性があります。衣裳店や結婚式場のお手入れ室で見かける「黄変処理剤」などはそうした特性もありますので万能黄変処理剤と思い込んで何にでも使用する事は避けたうえで適正な使用方法を守る事をお勧めします。
某有名ドレスショップでクリーニングした海外ブランドドレスの肩や脇周りのビジューの色が黒ずんでいたり変色しているものをお譲り後の方からクリーニング依頼でお預かりしていて何着か見ていますが、汗だけの理由であんなにビジューが同じドレスで何着も変色したりしないと思います。ビジューの金属部分の成分が生地に広がっている現象から察するに、使用による変色ではなくクリーニング工程によってもしかしたら生じている現象かもしれないなと思います。
全体クリーニング以外にプラスアルファで追加工程を行う際の染み抜き剤の使用方法には十分な知識と経験が必要です。
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