ドレスクリーニングブログ

海外ブランドのウエディングドレスを取り扱う際に気を付ける事

2017-02-08

ウエディングドレスクリーニングの工程を進めていくにあたり、部分的な前処理→本洗い→脱水(一応この表現にしておきます)→乾燥→後処理→仕上げが大体の流れとなりますが、この「後処理」という工程がいわゆるしみ抜き工程となります。

 

「しみ抜き」とは、通常のつけ込むクリーニングで除去が出来なかった汚れを除去していく作業となり、おおまかな技術としては3つの方法に大別され、そこからそれぞれにさらにいくつもの派生した方法が存在します。

 

しみ抜きは通常作業に使う薬品などよりもピンポイントに効くものを生地に応じて使用していきますが、その選定を間違えると生地に穴が開いたり変色したりする事が生じる場合がありますので常に注意をしていきながら作業を進めます。

 

しみ抜き工程一発で簡単に除去出来るシミもあれば何回繰り返しても完全に除去しきれないものもあります。

 

結論的に言うと、3回位繰り返しても改善が思う様にならないシミはそれ以上工程を行っても変化のない場合が多く、無理に回数を重ねる事で生地の劣化を及ぼす事もあります。もちろんプロであれば完全に除去する事がベストなのですが、物理的に除去の限界の見極めが出来ずに生地に損傷を与えてしまっては元も子もありません。プロだからこそ引き際の見極めが大事だと思います。

 

しみ抜きをどの方法で行うかは生地、副資材を確認しながら考えます。特にウエディングドレスの内側に付けられている品質表示タグの生地組成を重要な情報としていますが、海外製のブランドドレスには一部組成表示と違う繊維が混紡されているケースが見られます。その繊維が入っている事で通常のしみ抜き工程では何ら問題なく除去作業が出来るものが思わぬ生地の変化を起こす事があります。

 

この系列のウエディングドレスについては基本中の基本のしみ抜きまでを最終工程としています。

 

海外ブランドのシルク製品のドレスはこの様に一部深追いが出来ないものがあります。又、シルク素材は水に漬け込むクリーニングは当社では物理的に出来ないものだと考えています。

 

様々な情報を総合していく事でどこまでの作業までがそれぞれのドレスに可能なのかを判断する力がウエディングドレスクリーニングを携わる者として大切な資質だと考えています。



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