2014-12-13
いよいよ本格的な冬モード突入した様です。今週末から来週にかけては強烈な寒波が日本列島を覆う様ですので雪による災害が起きない事を祈ります。
さて、タイトルにも書いた様になぜか寒い季節にクリーニングでお預かりするウエディングドレスには夏にお預かりするドレスに比べて除去に技術がいる方の汗の臭いや汗じみが多くなります。(ドレスのしみ抜きには簡単なものと手間がかかるものの2種類があるのです。)
汗が出る汗腺には2種類あり、エクリン腺由来とアポクリン腺由来の汗があります。
エクリン腺からの汗は主に体温調整の冷却機能の役割があり、そういう理由で夏の暑い気温下において主に活躍?する汗になります。質より量的な特性の為、成分的にもドレスに影響を与える様な臭いやシミはつきにくいものです。除去にもそれほど高い技術は必要ありません(当店的には)。
対してアポクリン腺からの汗ですが、大まかな表現をするならば「緊張したりすると出やすい汗」と言えます。体温の調整する特性ではない、量より質的なイレギュラーな汗の為、こっちの汗が優先されてしまうとアルカリ性度合いがやや強い特性が生地に付着後に汗の変色と臭いを発生させやすくなってしまいます。
寒い季節は体温調整の為の汗が必要ないのに加えて結婚式の会場内の空調の完備によってエクリン腺からの汗の出番はほぼなくなります。その状態で緊張した状況になってしまうとアポクリン腺からの汗の出番が増えてくる為、脇の臭いと汗ジミの目立つ場合が出てくるのです。
いつもは汗の臭いなんかないという方も、なぜか結婚式の後に気になってしまう事があるのはそういう稀なケースによるものですのであまり気にしなくてもいいと思います。
ウエディングドレスに汗が直接つきやすい場所は襟や脇周りがほとんどですので、ドレスクリーニングを行う際には汗の処理に必要な工程を行います。
時間が経過してしまって脇の部分の変色が進んでいる場合はそれに必要な漂白処理工程をウエディングドレスに施します。(テレビやホームページなどで「独自の特殊な技術」と称して筆に何かをつけて蒸気を当てながら作業をする光景を宣伝する様に見せる所もいくつかありますが、多少の技術と知識は必要としても決して超特別な技術ではありません。あの光景が漂白処理の事です。)
こちらでも検品しながら作業は行いますが、予め気になる場所などがございましたら事前にお知らせ下さい。
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