2014-11-16
「近所の家が火事になってしまい、その煙が部屋に入り込んできた為に保管していたウエディングドレスに煤のにおいがついてしまったのでなんとかなりませんか?」
先日、電話にてご相談を頂いた内容です。
素材やドレスの構造上水洗いが可能なお品物であれば、ドレスを水に漬けこんでクリーニングを行えば煙による煤くささの除去はほぼ可能ですが、ご相談を頂いたドレスがシルクオーガンジーの生地だった為にこうした「水洗い」の方法でのにおいの除去が出来ません。
シルクの持つ風合いやウエディングドレスのシルエットを崩さない一番ベストなクリーニング方法はドライクリーニングとなりますが、一般的に「においを除去する」という項目に於いてはどうしても「水洗い」より劣ります。但し、においをまとった付着物に「油性」の要素が強ければドライクリーニングの得意な「油性汚れを除去する」特性によって水洗に近い状態の好結果を残す可能性もありますのでまずはドライクリーニングで状況の改善を目指しました。
自然乾燥後、仕上げ工程によっても改善を図ります。蒸気を使って仕上げをしていく事で、においを蒸気の揮発と共に飛ばしていきます。
結果としてはお預かり時よりにおいの改善は出来ましたが、やはり煤くささが残っていました。
ここから先の改善手段として利用するのが「オゾンルーム」での消臭作業です。
オゾンという言葉はしばしば耳にすると思います。
有名なのはオゾン層と呼ばれる大気の層が地球を覆っている事で、宇宙からの有害な放射線や紫外線を抑えているはずが、フロンガスなどの影響でオゾンの層が破壊されてしまい南極大陸を中心にオゾンホールという大きな穴が開いいる為、地球温暖化の一因を引き起こしている話題でしょうか。
このオゾンの持つ特性に「殺菌力」「漂白力」「消臭力」があります。これを利用して更に消臭を図ります。オゾンを発生させるという、オゾンホールとは対極の行為だから地球環境に悪影響は及ぼしません。
家庭用ドラム洗濯機でも以前「洗わず洗濯」といったキャッチフレーズで帽子や靴などを消臭、殺菌するオゾンを使用したコースを持つ製品もありました。これの業務バージョンがオゾンルームとなります。
オゾンルームの使用目的のメインはまさに「家事などで煙を浴びてしまった衣類などのにおいを除去する」ものです。火災によって自宅や近隣に被害が及んだ時の補償手段として保険会社さんからもご相談を頂く事あります。このオゾンを発生させた場所で一定期間衣類を吊るす事で消臭を行います。
今回ご相談を頂いたドレスも最終手段としてオゾンルームで一定期間消臭工程を行った所、余程近くでにおいを確認しない限りは煤くささもなくなりました。
「ドレスクリーニング」という作業で取れないにおいもこうした応用によって一定の効果が期待出来ますのでお困りの方はお気軽にご相談下さい。
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